PEST分析は、事業の外部環境分析、特にマクロ環境分析を行う際のフレームワークです。
PESTというのは、Politics(政治的要因)、Economics(経済的要因)、Society(社会的要因)、Tecnology(技術的要因)のそれぞれの頭文字を取ったもので、事業に影響するこれらの要因を分析することがPEST分析です。
この外部環境分析は、SWOT分析において、Opportunities(機会)とThreats(脅威)を見出すための分析に該当します。したがって、PEST分析はしばしばSWOT分析の一部として行われるます。同じくSWOT分析の外部環境分析として有効なフレームワークに5フォース分析があります。5フォース分析が業界の競争相手や取引相手など自社に直接的関わる対象を分析するのに対し、PEST分析はよりマクロな環境要因を分析の対象とします。
言い換えれば、直接的な競争環境における対象をMECE(モレなくダブリなく)に分けたものが5フォース(5つの競争要因)で、直接的な競争対象よりも広い範囲のマクロ環境という目に見えない対象をMECEに分けたものがPESTと言えます。
SWOT分析において、内部環境というのは自社内の問題なので自助努力で改善可能です。5フォース(5つの競争要因)は、取引先や顧客に直接働きかけることは出来るという意味で努力で状況改善は可能ですが、相手がある問題ですので一筋縄には行きません。PESTになると、個々の相手も見えないマクロな要因が相手なので、自社1社による働きかけや努力のみではどうすることもできない「所与の条件」に近い存在です。それでも、業界団体を通じた政治への働きかけが規制緩和などの法律変更を促すことや、自社による流行の喚起などの可能性はまったくないわけではありませんが、短期的な施策にはなりえません。
以下に、PEST要因となる項目を例示します。
【Politics:政治的要因】
- 法律(規制、税制度、補助金制度など)
- 政府の動向、大きな政治のトレンド
- 国際政治関係(貿易・関税問題、政情不安地域の影響、資源問題など)
【Economics:経済的要因】
- 産業構造の変化
- GDPの趨勢
- 景気、物価
- 金利、為替、株価
- 個人消費・個人所得・家計貯蓄率
- その他各種経済指標
【Society:社会的要因】
- 人口構成、外国人の移入
- ライフスタイル、文化・サブカルチャー、流行、価値観
- 教育
- 環境問題
- 社会問題(食品偽装、海賊品流通、その他事件など)
【Technology:技術】
- 技術革新と技術トレンド
- 基礎研究の動向
- 特許の動向
- 自社に直接関連する代替可能性のある技術の動向
Society(社会的要因)に含まれる「環境問題」に関しては、“environment”として4つの要因とは独立させ、PESTeと称する場合もあります。